サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティコラム

2017年04月17日

Windows Vista のサポート終了に思う

マイクロソフト社のOS「Windows Vista」のサポートが4月11日で終了した。前版のOSであるXPサポート終了の時は大騒ぎになったが、今回は殆ど報道されていない。これはXPサポート終了の時は使用中のユーザが非常に多かったのに対し、Vistaのユーザは2月時点で0.78%と非常に少ない事が理由の一つだろう。

技術革新は常に起きている、古いものに固執していたのでは進歩は無い。とはベンダーの言い分で、利用者としてはベンダーの都合で勝手に変えるなよナと思うが、セキュリティの観点からして、脅威が日々増大・高度化している中にあっては、脅威に対抗できるOSに変更せざるを得ないのも現実問題として存在する。しかしユーザビリティと言うか、使い勝手は変更してほしくなく、せめて同じ使い方モードを残してほしいものだ。

ただこのVistaの静かな終焉に、一末の哀愁を感じるのは私だけだろうか。Vista提供前は我々セキュリティ屋からすると、マイクロソフト社は機能ばかりを追求していてセキュリティの事を全く考えていない、と非難したものだ。ビル・ゲイツはその批判に応えるべくトラストワーシー・コンピューティングを旗印に、満を持してVistaをこの世に送り出した。セキュリティ関係者は大歓迎したが、市場はスピードの遅さや使い勝手の悪さにソッポを向き、マイクロソフト社は3年を待たずしてWindows7の提供をせざるを得ない状況に追い込まれてしまった。

「セキュリティを高める事は必要だが使いにくくなってはならない」と言われている。セキュリティと利便性は完全に矛と盾の関係にある事なので、結局はリスクテイクを何処までするかと言う利用者/組織のポリシーの問題に帰着する。

IPAの注意喚起:
https://www.ipa.go.jp/security/announce/winvista_office2007_eos.html

マイクロソフト社の広報:
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/22882/windows-vista-end-of-support

筆者紹介

岸田 明(きしだ あきら)

KMSコンサルティング代表。
大手IT企業や参議院事務局など、第一線でサイバーセキュリティ対策に携わってきたこの道のエキスパート。 2016年3月よりキューアンドエーワークス株式会社の顧問に就任。